コラム

自家消費型太陽光発電とは

自家消費型太陽光発電が注目されている背景

FIT制度での電気買取価格低下により、これまで普及してきた売電型と呼ばれる太陽光発電では、メリットが少なくなりつつあるため、自家消費型太陽光発電が注目され始めています。

 

再生可能エネルギーの普及を目的として2012年に制定された固定価格買取制度(FIT)は認定された売電価格(発電した電気を売って得る売電収入の単価)が10kw未満では10年間、10kw以上では20年間変わらないというものです。この制度の導入を背景に、売電収入を目的として普及した太陽光発電ですが、売電価格は年々低下しており、経済産業省の発表によると、10kw以上の産業用太陽光発電で売電単価は、固定価格買取制度が導入された2012年の40円から2018年現在18円まで下がっています。2020年代の半ばまでには、現在の半額以下にすると発表されています。

 

このような売電価格の低下に伴い、売電から得る収益を目的とするのではなく、発電した電気を自社で消費することでエネルギーコストの削減を目的とする自家消費型・太陽光発電が注目を集めています。

 

自家消費型・太陽光発電とは

自家消費型太陽光発電とは、発電した電気を自ら消費する太陽光発電システムのことです。自社の工場、倉庫、店舗、 事務所などで使用する電力を自社の太陽光発電設備で創出することができます。日中の消費電力を引き下げることにより、月々の電力料金を抑制することが期待できます。また、自家消費型太陽光発電はCO2を排出せず、クリーンエネルギーを使用できるため、企業の環境対策としても有効です。

 

自家消費型太陽光発電の仕組み

自家消費型太陽光発電の基本的な仕組みは一般の陽光発電と同じです。太陽光発電は、光エネルギーを受けて太陽電池が発電した直流電力を、パワーコンディショナーにより電力会社と同じ交流電力に変換し、電力を施設内に供給します。自家消費型では日中に創出した電力を施設内で使用しますが、曇りや雨の日で発電量が足りなかったり、夜間の時間帯などは、不足分を電力会社から電気を購入したり、また蓄電池を導入している場合は、蓄えた電気を使用することもできます。このように、電力の不足分は購入するのか、それとも蓄電池を導入して補うかは自社の状況と意向をもとに、EPC業者との打ち合わせを行い決定すると良いでしょう。

 

売電型と自家消費型の違い

売電型と自家消費型では導入の目的が大きく異なります。売電型は、創出した電力を電力会社に販売して売電収入を得ることが目的となるのに対し、自家消費型は創出した電気を自社施設で使用することで、企業経営の経費である電気料金を抑えることを目的としています。

 

このように目的が異なるため、創出した電気の送り先も変わってきます。売電型では、系統連系と言われる、電力会社の送電網に送出するのに対し、自家消費型は自社施設内で電気を消費するため、自社の施設に電気を送ります。この時、接続契約にもよりますが、太陽光発電設備から創出した電気が系統側へ流れる(「逆潮流」という)ことは許されません。このように売電型と自家消費型では導入の目的と送電先が、最も大きな違いと言えます。

 

自家消費型太陽光発電は、従来の売電型太陽光発電に代わる太陽光発電の大きなトレンドになっていくと予想されます。しかしながら、まだ自家消費型太陽光発電の導入経験を強みとする業者は少ないのが現状です。設備の導入を検討する場合は、自家消費型の知識と経験をもっており、受電設備や系統連系にも知見のある業者を選ぶことが重要です。

 

(文:太陽光発電TIMES編集部 M.)

 

参考:

“再生可能エネルギーの2018年度の買取価格・賦課金単価等を決定”. 経済産業省. http://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180323006/20180323006.html, (参照2018-09-18)

“太陽光発電のしくみ”.  JPEA太陽光発電協会.  http://www.jpea.gr.jp/knowledge/mechanism/index.html, (参照2018-09-18)

“自家消費型と売電型(FIT型)の違い、選ぶ基準”. 太陽光設置お任せ隊.  http://taiyoukou-secchi.com/column_jikashohi2_hikakufit/, (参照2018-09-18)

“太陽光の電力、買い取り価格引き下げ 普及にブレーキか”. 朝日新聞デジタル.https://digital.asahi.com/articles/ASL9D53VGL9DULFA015.html?rm=640, (参照2018-09-26)

 

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